株式会社アニカ


トップページお問い合わせ&ご注文書店様へ(在庫情報等)会社概要


映画が私を変えた
河添 まみこ 著

ISBN978-4-901964-21-0
本体価格1800円(税別)
映画が私を変えた 『追悼のざわめき』&小人症の妹

撮影エピソードを絡めながら当時の思い出を描いた、濃密なドキュメンタリーです。

レイプ・ヌード・殺人・小人に対するあからさまな差別など過激なシーンに溢れた映画と、どう出会い、どう付き合ったのか。差別は、映画の中だけだったのか。

子ども時代の苦労や社会への反発を乗り越えて、映画出演を通じて本来の自分と自信を取り戻した過程を、溢れる思いとともに語っています。

映画での強烈な役柄に隠れがちな明るく温かい人柄と、
世間に負けることなく生きてきた強さに感動します!


本書より (c) 浅田トモシゲ


■ 紹介ムービー(画面をダブルクリックしてください。音が出ますので、ご注意ください。)

映画『追悼のざわめき』 9/20(土)〜10/3(金)
新宿 K's Cinema にて上映。詳しくはこちら

26日(金)18:30の回の上映後、まみ子さんの舞台挨拶があります。

こちらは、『追悼のざわめき』ファンサイト公開記念 松井良彦監督インタビュー第5回 「仲井まみ子 報われない愛 美しい役」。






■ 著者紹介
河添 まみこ(カワゾエ マミコ)

昭和28年京都生まれ。京都市在住。30歳のとき、80年代伝説のカルト映画『追悼のざわめき』に小人症の妹・夏子役で出演、短肢症の身体を生かし体当たり演技で映画界に衝撃を与えた。
現在は、京都市内で、夫と2羽のオカメインコと幸せに暮らしています。


メッセージ(10/15)

幼い頃からずっと夢に見ていた私の本を手にして、『映画が私を変えた』という題名とほんの重みに、原稿を書いた16年と、生きてきたということをひしひしと感じます。人を嫌っても、人を恐れても、人を憎んでも、死ぬことばかり考えていても、それでも人とふれあいたいと願っていた私。そんな思い、『追悼のざわめき』にぶつかっていったことで、勇気と自信を持てるようになったことを伝えたくて、この本を書きました。支えてくれた人たちの優しさ、心のあたたかさを感じるとき、他人が怖かった頃にも私の思いを言葉にしていたら、もっとわかってもらえたかもしれないと思います。人と言葉でつながることの力を知ることができました。今日まで感じてきた苦しみも憎しみも、大切な時間だったのだと思います。無駄な時間なんて、無駄なものなんて、無駄な命なんてない。みんな大切なものだから、しっかり受け止めて、しっかり生きていこうと思います。



ラジオ関西・シネマキネマさんの紹介
「東京、大阪で再上映される『追悼のざわめき』。映画とあわせてぜひ河添まみこさんの自伝を。『追悼』のテキストとして、そして一人の「人」の物語としても読み応えあり。まみこさんがコツコツと鉛筆の手書きで綴った半生です」

■ もくじ
第一章 完成試写会

第二章 映画『追悼のざわめき』
     (プロデューサー・安岡卓治)

第三章 生い立ち 
     子供時代
     特殊学級
     障害手帳
     自殺願望
     ひとり立ち

第四章 クランクイン
     映画との出会い
     夏子への一歩
     小人兄妹の家
     スタッフたち
     女子中学校
第五章 クランクアップ
     撮影二年目
     火事シーン

第六章 女優、仲井まみ子
     (プロデューサー・安岡卓治)

第七章 映画の後
     公開
     夏子でなく、仲井まみ子でなく

第八章 人間、河添まみこ
     (あとがきに代えて 夫・河添晋一)



写真提供:浅田トモシゲ
     松井良彦・安岡フィルムズ
     河添まみこ
■ 読者の感想や紹介
【マスコミでは言えないこと】

映画評論家の本ではありません。コホン。「障碍者」の著者が映画出演をきっかけに変わっていく人生を綴った実話です。

 だからといってお涙頂戴の善人話ではありません。ひたむきに生きたから神様が祝福してくれた・・・というものでもありません。

 なぜなら、「普通の女の子のものがたり」だからです。作中で30才を迎える女性を「女の子」と表現することへの違和感は脇に置いて、「短肢症」と病名をつけられた女性の苦悩と葛藤が綴られており、親や兄姉への恨みを隠そうともしないひとりの人間がそこにいます。

 是非、手にとって欲しい一冊なので、さわりにとどめますが、手足が人より短く、背も低いという特徴を持った女の子は短肢症とされ、親族より冷遇されます。本書にある通りに記載しますが「片端(かたわ)」は一族の恥という親族・・・あるいは時代だったのかも知れません。しかし、私は本質において、いまもそれほど変わっていない気がしますが。

 その女の子はひとりで生きていくことが困難でした。身体的の不利だけではなく、社会が受け入れてくれるということの第一は収入を確保することで、見た目によるのか、能力か、あるいは本人の性格かはわかりませんが、平たく言えば定職にありつけずにいました。

 ある日、映画出演のオファーが舞い込みます。後に80年代伝説のカルト映画と呼ばれる「追悼のざわめき」で、レイプ、ヌード、殺人、近親相姦にあからさまな差別と、21世紀なら制作する困難で、寺山修司が「映画になったら事件だ」と評した映画です。

 女の子「まみこ」は映画出演を決意します。重大なる決意というよりは「なんとなく」。


 ここまで読んで、一旦休み、止めたページを再開するに表紙を見て、

「映画が私を変えた・・・ってもっと刺激的なタイトルでも」

 とつぶやいてはたと気がつきます。「まみこ」を特別としてみることで、刺激的という視点が生まれていることに。

 身体的特徴をエキセントリックに取り上げたがるのは、私の物書きとしての本能か、広告屋として身についた技術なのか、それとも無意識にある差別意識か。

 本書には「障碍者」と呼ばれるだけの普通の女の子がいます。

 可愛く、ずるく、打算的で、それは普通のことに過ぎません。

 そして読了して一日が経ち、偏見を持っていることを自覚した上で嬉しくなりました。

 可哀想な人ではなかったことに。

 不自由ではあるが不幸ではない。

「障碍者(というレッテルが貼られている人)=不幸」

 というのは浅薄な人間の傲慢に過ぎず、そこには同じく自分の人生という映画の主役を生きる人々がいることを知り、読後じわじわと込み上げる「爽快感」に浸れる一冊です。

「人はその人にふさわしい人生をおくる」

この本を読んで、久しぶりにこんなに強くて心根のきれいな人がいるんだと思った。親兄弟からも差別を受け、教育の機会を奪われ、助成金目当ての企業に雇われては解雇され、私にはとても耐えられないと思う。ところが映画によって大きく転換した著者はその後も続く困難にも負けずにまわりの人に気遣いをし、明るくきれいな生き方をしてきた。そして、最愛の人に出会った。あとがきの代わりに書いたご主人の文章を読んで、まみこさんという人は、何がなくても人間にとって一番大事なことはちゃんと守ってきて、だからこういう心底心通わせることのできる男性に出会えたんだなと思った。読み終わって、じんわり涙が出てきた。(アマゾンレビュー)

障害であろうと自分を曝け出す強さがすごい。と同時に、本を読んで「追悼のざわめき」という映画がますます興味深い作品になった。(映画ファン)

あっという間に読んでしまった。しかし、自叙伝だから当然なのだが生まれてから今までの長い間のいろんなことが綴られていて、著者と一緒に長い時間を過ごしたような気になった。最初は重苦しかったのだが、映画の撮影の話の頃から、ぐいぐいひきつけられた。最後のほうは、ひとつの映画を見たような不思議な余韻があった。生きてきたんだなあと思った。(Kさん)

逆境と言っては著者に申し訳ないが人を強くするのだなと思いました。でも自分だったら途中で諦めたかもしれないです。著者の根性を見習いたい。(30代・女性)

ネットで名前を見て、懐かしくなった。苦労してきたことを初めて知りました。(映画ファン)

まみさんのことはよく知っていたつもりなのに、本を読まなければ知らなかったことがあって、ショックを受けた。自分の思いをこうして文章にして発することができて、すごいと思った。(友人)

■ 編集ノート
小人の役で映画に出た女性の自伝企画を知り合いのライターさんから打診されたのは、2008年の夏でした。とてもエキセントリックな女性だと言われて、女優ならではの個性の強い人を想像しました。京都在住のまみこさんが打ち合わせのために弊社に来られたのは、その年の10月。当時、日本映画大学の学生さん達による彼女のドキュメンタリー映画の撮影が進んでいて、そのスタッフと旦那さんを引き連れてみえました。それまでにわたしは、ライターさんから、他社での刊行がポシャった話や彼女とのやり取りの難しさを聞かされていて、また、一緒に来られた御主人の晋一さんがスキンヘッドの強面だったこともあり、とても緊張して「弊社で出すなら、こういう本にしてほしい」と説明したのを覚えています。(実際はお二人ともとても明るくて優しいデス)

その後、企画を持ってきてくれたライターさんとは別の方が、彼女の執筆の手助けをし、窓口になってくれることになりました。わたしは普段、著者とふたりだけで原稿を作っていくスタイルです。が、彼女が出演した映画やドキュメンタリーの関係者など、複数の人たちが現れて、どういう立場なのか、本を宣伝してくれるのかよくわからないまま、その別の方から原稿が上がってくるのを待っていました。しかしいろいろあって、結局まみこさんとわたし2人であらためて原稿を作り直し始めたのが、2010年の暮れです。

半年かけて、5月末にようやくゴールが見えてきました。映画のプロデューサーで、まみこさんが絶大なる信頼を寄せている、日本映画大学の安岡卓治教授と、映画のスチールを撮られた浅田トモシゲさんにもご協力いただけることになりました。6月15日には、京都のまみこさん宅へ伺っての最終打ち合わせを済ませ、ようやく発刊にこぎ着けました。

映画の過激さ、役の特異さ、障害、差別・・・。伝説のカルト映画で観客に強烈な存在感を与えた「小人症」の夏子と、まみこさんの人生がどう関わっていたかを知り、実にいろんなことを考えさせられました。

でも、読み終わったとき、現在のまみこさんと、この映画に携わったすべての方々に、祝福の拍手を送りたい気持ちでいっぱいになります。公開当時この映画に夢中になった方だけでなく、多くの方々に読んでいただきたいと思っています。

2011年8月10日

■ オンライン書店でのご注文
    楽天ブックス    ◆その他の購入方法の詳しい説明